色彩の影響は筋肉にも及ぶ

このコラムを読んでくださっている皆様は、色彩に興味がある方々だと思いますが、色の効果を計測する「ライト・トーナス値」というのをご存知ですか?
これは色によって筋肉の緊張、弛緩を数値に表したもので、世界的に標準化されたものです。
1910年にシュタインという人が確立した理論で、光線を当てた筋肉が緊張と弛緩の変化を示すことが、研究の結果わかったのです。

つまり、人は色を「視覚」で捉えるだけでなく、皮膚でも捉えることができるのです。
リラックスしている状態を生理学的にいうと「筋肉がほどよく弛緩している状態」です。
この筋肉のゆるみは、視覚から感じる光の具合や、皮膚に当たった光の状態によって変化します。
では、どのような色がどのような影響を与えるのでしょうか。
人間の筋肉がもっとも弛緩し、精神的にも落ち着く色はベージュやパステルトーンで、数値は「23」とされています。
以下、色が筋肉に与える効果によって並べてみると......

ベージュ・パステルカラー 23
青 24
緑 28
黄色 30
オレンジ 35
赤 42
心理診断実例レポート

色が示す数値で、30を超えるものは「緊張・興奮」を与えるそうです。
私は個人的に、黄色は沈静化するようなイメージをもっていましたが、実際は「刺激的な色」だったのですね。 ちなみに、このシュタインの計測結果は、「ライト・トーナス値」といって、ファッション業界、インテリアの業界などで活用されています。
(文責/宇野ひかる)